記事の詳細

普連土学園の特徴の一つに「S・F・S」プロジェクトがあります。これは「Self・Family・Society」の頭文字をとったもので、「進路設計プログラム」のことです。
いきなり「進路」と言われてもピンと来ないものです。ましてや中学に入学した頃から「将来の進路を考えよう」と言われても、子どもからすると「先の話はうんざり」と思ってしまうものです。進路に関しては、大人から見れば出来る限り早く決め、進路のための努力をしてほしいと思うものですが、中学一年生の段階で自分の将来を明確に見据えている人はなかなかいません。そこで「S・F・S」プロジェクトが、「進路指導」と堅苦しい言葉ではなく、幾分柔らかい表現で、自分がこれからどうあるべきかを学年を追って段階的に考えさせてくれます。この「S・F・S」プロジェクトこそ普連土学園の最大の特徴であると言う人もいるほどです。
具体的には、中学一年生で自分がこれまでどのような人生を歩んできたのかを家族に取材して作文を書きます。進路を考えるためには、まずは自分を知らなければなりません。中学二年生になると、今度はそれを踏まえた上で「15年後の私」というテーマで作文を書き、将来像がかなり具体的になってきます。そして中学三年生では「職業について考える」というテーマで、保護者の方々の協力を得て、勤務先の企業や研究室、新聞社、病院等を訪問し、積極的に質問や取材をしてレポートを作成します。さらにここまでに作成したレポート類は、高校で進路を考える時にも活用されます。このようなプログラムが組めるのも普連土学園が中高一貫だからこそです。高校生になると、進路をより真剣に考えるために、大学入試に関してのガイダンスや職業講演会等を積極的に行います。卒業生を招いての個別相談会等もあります。
「卒業生」は、在校生にとってより身近な存在です。卒業生も、自分が在校中にどのような事を考えていたのか、どうすれば良かったのかと思いをめぐらし、親身に相談にのってくれます。また、様々な分野に興味が持てるようにと、春休みや夏休みには「教養講座」が行われています。「Jazzを楽しむ」、「ブレッドボードでジュールシーフを作る」「頭痛薬を合成する」といったように、普段の授業ではなかなか取り扱えない事を行って子どもの知的好奇心を刺激してくれます。
このように、普連土学園はいろんな取り組みをして子どもたちを応援してくれているのです。

普連土学園のモットーと教育方針

普連土学園はフレンド派(クエーカー)を基盤としており、「人間には誰であれ内なる光、神の種がある。したがって全ての人は尊い存在、大切な存在であり、善に向けて正しく成長していける」という教えに基づいた教育を行う学校です。少人数による生徒個人を尊重した教育を行うようになってから100年以上になります。この、一貫した教えを前提としながら、時代に即したカリキュラムや指導内容を積極的に取り入れています。それは例えば国際化の時代に対応した語学や発展を続ける科学の教育などです。世界ではフレンド派の学校は200校ほどになりますが、日本においては普連土学園だけです。アメリカのフレンド教育協議会に所属するクエーカー・スクール同様、普連土学園もこれに参加しており、知性だけではなく心と人格の形成を目標に教育が行われています。普連土学園は中高一貫校です。6年間という年月を活かした、深い教養や知識を身につけられるよう教科の授業を行っています。また、普連土学園では、宗教活動や奉仕活動にも力を入れており、毎朝の礼拝や学年ごとにテーマが課せられた奉仕プログラムの実施を行っています。これらは単なる知識を身に付けるだけではない、ひとりの人間としての精神の成長に大いに役立てられています。

普連土学園
http://www.friends.ac.jp/

関連記事

おすすめ記事

登録されている記事はございません。

ページ上部へ戻る